リーフの旅

2020年01月

『どしゃぶり』 おーなり由子 文・はたこうしろう 絵(講談社)

 

 雨、好きですか。

 

 息ぴったりのおふたりの作品、大好きです。

 おーなりさんのはじけるような言葉と、はたさんの元気いっぱいの、のびのびした絵が、どしゃぶりの楽しさを盛り上げてくれます。

 雨の音、こんなにいろんな表現ができるのだなあ。声に出してみると面白い!

 大人の生活では雨が降ると「いやだな。うっとうしいな」と思うけれど、たまに「きもちいいなあ。さっぱりするなあ。」と思うことがあります。そんなとき、この絵本の男の子のようにどしゃぶりを体いっぱい楽しむような子どもの心がちょっと顔を出した気がします。

 

『わたしたちのたねまき』 チャスリン・O・ガルブレイス作

             ウェンディ・アンダスン・ハルパリン絵(のら書店)

 太陽も風も人間も

 

 お皿の図案集のような、植物のスケッチで埋め尽くされた、レイアウトが珍しい絵本です。

 テーマは種まき。植物の種は人が畑にまかなくても、自然界のあらゆる存在がいつのまにか協力して世界中にまいているんだということを思い出させてくれます。

 風のたねまき、太陽のたねまき(あたため乾かしてはじけとばす)、雨や川のたねまき(あらいながす)、動物や鳥のたねまき、私たちの散歩もたねまきです。

 植物たちにはお世話になってばかり・・・と思っていましたが、無意識のうちにたねまきのお手伝いができていたのですね。せめて自然の中をたくさん歩いて、植物たちの応援ができたらいいなと思います。

 

『ふゆのむしとり?!』 はたこうしろう・奥山英治(ほるぷ出版)

 

 お兄ちゃん、どこいくの?

 

 はたこうしろうさんの描く兄弟はいつもいいなあと思います。

 冬は外遊びも寒くて虫もいない、そう思っている虫好きの子どもたちに嬉しい情報をくれる絵本です。

 物知りのお兄ちゃんが、冬なのに虫取り網をもって出かけようとしています。弟は半信半疑でお兄ちゃんについていくことに。

 冬の森でお兄ちゃんは冬眠中の虫たちの珍しい姿を見せてくれます。こんなお兄ちゃんと一緒なら毎日が楽しいだろうなあ。

ちぎった色紙を置いておくと、ミノから出したミノムシが色紙できれいなミノを作ること、倒れた木の穴の中にはクワガタの幼虫もいて、秋や冬に成虫になったクワガタが夏を待っていること、知りませんでした。

 冬の虫とりも新たな発見があって楽しそうです!

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